2025.05.27

次世代センシング技術の最新動向 ~ センサーが変えるエネルギー・都市・人の未来

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次世代センシング技術の最新動向 ~ センサーが変えるエネルギー・都市・人の未来のサムネイル画

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、センシング技術の進化が注目されています。近年では、電池不要のセンサーやAIによるリアルタイム処理、都市や建物の運用最適化を実現するデジタルツインなど、新たな技術が実用化されつつあります。本記事では、次世代センシング技術の最新トレンドと、その活用事例をご紹介します。

1. エナジーハーベスティング(環境発電)センサー

技術概要とメリット

エナジーハーベスティング(環境発電)とは、熱・振動・磁場など環境中の微小エネルギーを電力に変換して利用する技術です。この技術をセンサーに取り入れたのがエナジーハーベスティングセンサーで、電池なしで動作します。通信線や電源線を引く必要がないため、設置場所を柔軟に選べるうえ、メンテナンスコストの低減にも寄与します。近年では、変換効率の向上や磁場利用などの新技術の開発が進み、スマートインフラへの実装が加速しています。

エネルギーハーベスティングイメージ図
エネルギーハーベスティングとは(出典:エネルギーハーベスティングコンソーシアム)

活用例

米マサチューセッツ工科大学の研究チームは、周囲の磁場からエネルギーを取り込み、電池や外部電源なしで長期稼働が可能な自己発電型センサーを開発しました。この技術は、持続的なデータ収集を必要とする遠隔監視用途への応用が期待されています。

国内の大型オフィスビルや商業施設、学校などでは、微小な圧力や光エネルギーを利用して自己発電するEnOcean技術が広く採用されています。照明や空調を人感検知と連動して自動制御することで、大幅な省エネを実現しています。茨城県のオフィスビルでは、地中熱ヒートポンプと太陽光発電を組み合わせたZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に成功し、省エネと再エネの両立を実現しています。

2. LPWA・5Gと低消費電力センサー

技術概要とメリット

LPWA(LoRaWAN、NB-IoT)は、長距離通信と低消費電力を兼ね備えた無線通信技術で、LoRaWANは最大15kmの通信距離と10年以上の電池寿命、NB-IoTは地下でも安定した通信に対応しています。これらの技術は、低消費電力センサーと組み合わせることで省エネかつ広域なデータ収集を実現します。自己発電型センサーとの相性も良く、遠隔地での常時モニタリングに適しています。さらに5Gを併用すれば、リアルタイム制御や高精度モニタリングも可能になります。

〈参考〉LPWAとは? 特徴やIoTに適している理由、活用事例などを解説!

活用例

ドイツではNB-IoTによる遠隔監視で空圧機器の故障率を低減、日本ではLoRaWANセンサーにより配線コストを削減。また、LoRaネットワークでスマートゴミ箱を運用し、環境負荷低減を図っています。デジタルツインとの連携も進んでおり、都市単位での最適化が期待されています。

3. AI駆動型エッジセンシング

技術概要とメリット

AI駆動型エッジセンシングは、センサーの近くでAI処理を行い、クラウドへの依存を抑える技術です。遅延が少なく、消費電力や通信負荷を削減できる点が特長です。セキュリティやプライバシー面でも有利で、OTA(無線更新)によるAIモデルの更新も可能です。省電力チップの開発とともに今後の拡大が見込まれます。

活用例

欧州の製造業では、IoTやAIを用いた設備保全の高度化が広く推進されており、たとえばドイツでは、センサーとAIを活用した軸受劣化の予知保全の研究・実用化が進んでいます。清水建設のスマートビルでは、入退室検知と空調制御を連動させて35%前後の電力削減に成功。東京電力では発電量と需要をAIで統合管理し、系統安定度を向上させています。

4. バイオセンシングとスマートビルへの応用

技術概要とメリット

バイオセンシングは、CO2濃度・温湿度・心拍・体温などの情報をリアルタイムで測定し、快適性と健康管理を両立する技術です。AI解析と組み合わせることで、体調変化の予測や個別アドバイスも可能となり、労働生産性の向上に貢献します。ZEBや健康経営との親和性も高く、今後の普及が期待されています。

活用例

ウェアラブルセンサーで従業員の体調をモニタリングし、AIによる健康支援も可能に。スマートビルでは、熱中症や感染症リスクの予防に向けた自動制御も進んでいます。ZEB認証ビルでは環境センサーと中央制御が連動し、CO2濃度に応じた自動換気で健康リスクを低減しています。

5. デジタルツインとの融合

技術概要とメリット

デジタルツインは、IoTセンサーで収集したデータを仮想空間に即時反映させ、現実と連動した運用やシミュレーションを実現する技術です。リアルタイムのモニタリング、予測管理、異常検知が可能になり、効率的なエネルギー制御や保守にもつながります。都市単位での活用も進んでいます。

活用例

鹿島建設のオービック御堂筋ビルでは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とセンサーを活用し、設備の予測保全と遠隔監視を実現しています。都市レベルでは、交通・人流・気象などの多様なデータを統合した都市型デジタルツインにより、渋滞予測や災害時の避難支援、インフラ管理が高度化。今後は、施設をまたいだエネルギー最適化が現実味を帯びてきています。

ファシリティマネジメント(FM)プラットフォームとBIMデータの連携イメージ
ファシリティマネジメント(FM)プラットフォームとBIMデータの連携(出典:鹿島建設株式会社)

まとめ

次世代センシング技術は、エネルギー効率の向上やDXの加速においても重要な役割を果たしています。特に環境発電やエッジAI、デジタルツインとの連携は、ZEBやスマートシティの実現に大きく貢献しています。今後も技術の進化により、持続可能で快適な社会の構築が進んでいくでしょう。

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