2023.02.03

スマート化で電気代はどう変わる? 家庭もオフィスも便利にお得に

  • #IoTデバイス
  • #スマート化

近年、さまざまな規模でスマート化が進んでおり、スマートホーム、スマートオフィス、スマートビルなどの言葉をよく耳にするようになりました。スマート化によって利便性が大きく向上することは明らかですが、その一方で気になるのが電力消費量なのではないでしょうか。ここでは、住宅、オフィス、ビルをスマート化した場合の電気代の変化について見ていきます。

住宅のスマート化と電気代

住宅のスマート化

住宅のスマート化については、「スマートホーム」と「スマートハウス」の2つの言葉で語られることが多いようです。「スマートホーム」は、IoT(モノのインターネット)に対応した住宅設備や家電を使って効率的で快適な暮らしを目指すもの。「スマートハウス」は、エネルギーの運用を最適化して省エネ・エコを追及する住宅を指すことが多いようです。

スマートホームでは、インターネットに接続した住宅設備や生活家電を、スマートフォンやAIスマートスピーカーなどで操作できるようにします。照明器具、テレビ、エアコン、給湯器、インターホン、スマートロック、窓シャッター、ロボット掃除機など、適用範囲は多岐にわたります。

スマートハウスでは、従来、以下のキーワードが軸とされてきました。

  • 省エネ LED照明や高効率給湯器などで使用するエネルギー消費を抑える
  • 創エネ 太陽光発電システムなどでエネルギーを作る
  • 蓄エネ 住宅用蓄電池や電気自動車にエネルギーを蓄える
  • HEMS(Home Energy Management System 住宅向けエネルギー管理システム)
    家庭内の照明や冷暖房などの利用状況を見える化し、エネルギー消費を最適に管理する

最近ではさらにスマート化し、スマートハウスにおいても、住宅設備や家電をインターネットにつなぎ遠隔でコントロールすることが可能になりました。IoT技術を取り込み、利便性や快適さへのニーズにも応える住宅となりつつあります。

スマートハウスのイメージ画像

住宅の電気代は?

資源エネルギー庁の資料によると、家庭内で使用する電力消費量は、エアコン、冷蔵庫、照明で5割以上を占めています。スマート化による節電をねらう場合、エアコンと照明のコントロールがカギとなることがわかります。

エアコンや照明をスマート化すると、外出先からもスマートフォンで消し忘れが確認できます。遠隔からON-OFFの操作ができるので、確実に電力消費の無駄をなくすことができるというわけです。また、HEMSと連携した住宅では、使用電力量が見える化するため、エアコンや照明をコントロールして節電につなげることもできます。

さらに太陽光発電システムを備えた住宅では、電力を作る「創エネ」がかなうため、電気代は大幅に抑えることができます。

オフィス・ビルのスマート化と電気代

オフィス・ビルのスマート化

IoTやAIなどの最新のデジタル技術を活用してスマート化を進め、業務の効率化や快適性・利便性の向上を目指したオフィスを「スマートオフィス」と呼びます。

スマートオフィスでは、AIカメラやIoTセンサーなどを設置し、オフィス内の温度や湿度、人の有無・人数などのデータを取得・解析することで、空調システムや照明機器などを自動的に制御します。きめ細かくコントロールできるため、オフィス環境を常に最適な状態に保つことができます。各フロアや会議室の使用状況の把握や管理にも有効です。

ビル全体で実現したのが「スマートビル(ディング)」で、建物内の施設や設備を一元管理して、各オフィスの照明や空調システムを適切にコントロールします。その核となるシステムがBEMS(Building Energy Management System ビル・エネルギー管理システム)で、エネルギー消費を見える化し、最適なエネルギー管理を目指します。
参考:ビルのエネルギーを効率的に管理するBEMSとは?

オフィスビルのスマート化のイメージ図

オフィス・ビルの電気代は?

従来照明や空調は一律に稼働させていましたが、BEMSの自動制御で人が少ない場所や時間帯での運転がコントロールできるため、電力使用量の削減が可能となりました。BEMSの助けで契約電力を下げることができるケースも多く、その結果電気代を大きく抑える効果が得られています。

契約電力は、過去1年間でもっとも使用量の多かったピーク時の電力によって決まります。BEMSによって無駄な使用を省くとともにピーク電力を抑えられれば、契約電力を下げることも可能となるのです。契約電力に応じて基本料金が決まり、1年間は変わることがないので、契約電力を下げられれば電気代を大きく抑制できるというわけです。

スマートビルの事例 

スマート化を実現し、電力消費を含めたエネルギー消費の削減に成果を出している2例をご紹介します。

広島市総合リハビリテーションセンター

広島市では、平成25年度に総合リハビリテーションセンターにBEMSを導入。導入前後の電力消費量を比較した結果、年間で約10%の省エネとなったことを発表しています。

ラゾーナ川崎東芝ビル

東芝が拠点を構える15階建てのオフィスビルで、2013年完成。スマートBEMSを導入したスマートビルディングです。延床面積10万平方メートルを超える大規模ビルですが、一般オフィスビルと比較して年間一次エネルギー消費量(*)を58%削減できています。
*住宅や建築物で消費するエネルギーを熱量換算したもの。

画像センサーの活用によって人の動きを検知。照明を自動制御することにより電灯電力を12.8%削減しました。空調やエレベーターの制御にも活かされ、省エネの成果を出しています。(株式会社東芝の公式サイトの資料より)

まとめ

住宅においてもオフィスにおいても、スマート化の流れが止まることはありません。初期費用は規模に応じて相応にかかりますが、導入によって電気代の削減に効果が出ているのは明らかです。快適性や利便性、職場での業務の効率化などのメリットと合わせて、スマート化への期待は今後一層高まっていくのではないでしょうか。

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