2023.01.13
ビルのエネルギーを効率的に管理する BEMSとは?
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近年、地球温暖化対策として、CO2排出量削減に向けた取り組みが加速しています。中でもオフィスビルや商業施設などの大規模なビルは、日本のCO2排出量の1割程度を占めることもあり、省エネ対策が急がれています。次世代のビルに欠かせない対策として、BEMS(ベムス)について見ていきましょう。
BEMSとは
BEMSは「Building Energy Management System(ビル・エネルギー管理システム)」の略で、ビル内で消費されるエネルギーを見える化し、最適なエネルギー管理を目指すシステムのこと。対象は、オフィスビル、商業施設、学校、病院などの建物です。
※エネルギー管理システムには、BEMSの他に、家庭向けのHEMS(Home Energy Management System)、工場向けのFEMS(Factory Energy Management System)があります。
システムは各種センサー、計測器、制御装置などから構成され、空調や照明などの設備機器の使用状況やエネルギー使用量を計測し、必要に応じて設備機器を制御します。自動制御できるものも多く、室内環境を最適化しながらエネルギー管理を行い、省エネを目指します。
BEMSの構成
一般にBEMSは、制御部、監視部、管理部の3つから構成されています。

出典:環境省
http://www.env.go.jp/council/06earth/y060-81/mat02-2.pdf
制御部とは、温度・湿度センサーや人探知センサー、電力量計やガスメーターなどの計測器の部分で、設備機器の使用状況やエネルギー使用量を計測し、データを監視部に送信します。上の図の例では、フロア・部屋ごとに、温度・湿度センサーが温度・湿度を測定し、人感知センサーが人の有無を検知し、それぞれ中央監視制御装置にデータを送信します。
監視部では、中央監視制御装置に送信されてきたデータに基づいて、空調や照明の運転などを最適に制御します。エネルギーの使用状況を集計・分析して、今後の需要予測を行い、制御に反映させることも可能です。また、中央監視制御装置からの指示にしたがって、機器制御装置により空調の運転を制御します。
管理部では、空調や照明機器などの保守、清掃などを行います。
BEMSを導入するメリット
ビルにBEMSを導入すると、エネルギー(主に電力)の使用状況が「見える化」するため、それに基づいて空調や照明の設備運転を最適に制御することができます。この制御によって電力使用量やピーク電力が抑えられるため、省エネ・省コストの効果が見込めます。
エネルギー使用状況の「見える化」
BEMSによって、いつ、どのエリア・施設で、どのようにエネルギーが消費されているのかを知ることができます。つまり、使用状況の「見える化」が実現するということ。エネルギーが無駄に消費されている場所や時間帯などが特定できるので、改善プランを立てやすくなります。
データはグラフ化できるなど、わかりやすい形で表示されることも大きなメリットです。管理担当者に限らず、会社全体で省エネに取り組む場合には、一般の従業員にもエネルギーの使用状況を共有する助けになります。
がまんのいらない省エネ
エネルギー使用状況の「見える化」によって改善の道筋が明確になり、効率の良い省エネが実現します。たとえば、これまで一律に稼働させていた照明や空調を、BEMSでは人が少ない場所や時間帯で運転を制御できるので、エネルギー消費が抑えられるのです。
さらにBEMSの自動制御では、必要な運転が維持されることもポイントです。従来のように一律に実施する省エネや節電対策では、居室が暗くなったり、暑さ寒さに柔軟に対応できず、結果的に仕事の効率を下げてしまっていました。BEMSの制御による運転なら、自動で必要な運転も見極めてくれるため、仕事の効率を低下させることなく省エネができることになります。
電力料金が安くなる
業務用の電力料金を安くするための方策は、まずは電力使用量を減らすこと、そして基本料金を下げることが大変有効です。基本料金を下げるには、契約電力を下げる必要がありますが、これにBEMSの働きが役立ちます。
契約電力は、過去1年間でもっとも使用量の多かった時の電力によって決まり、1年間はその契約電力が継続します。したがって、このピーク電力をいかに抑えるかがカギ。BEMSによって無駄な使用を省き、さらに「見える化」した使用状況をもとにピーク電力の抑制対策をとれば、契約電力を下げることも可能になります。
機器の劣化状況の把握
エネルギー使用状況についてのデータが自動的に蓄積していくので、エネルギー効率の低下など、設備機器の劣化状況についても早い段階で把握しやすくなり、適切なタイミングでのメンテナンスにつなげることができます。
まとめ
省エネやCO2排出量の削減に欠かせないシステムとして、BEMSは今後ますます導入が進んでいくことが予想されています。導入コストはかかりますが、国や自治体はさまざまな補助金や支援制度を用意して後押しをしています。中小規模のビルであっても、BEMS導入を検討する時期にきているようです。