2024.05.09
IoEとは? IoEによって社会はどう変わる?

IoTでさまざまなモノがインターネットにつながる今、さらに発展させた形として期待されているのが「IoE」です。ここでは、IoEが意味する概念をまとめ、IoEがもたらす社会の変化についても紹介します。
IoEとは?
IoE(アイオーイー)は「Internet of Everything(すべてのインターネット)」の略で、あらゆるものがインターネットに接続されることを意味します。物理的なモノに限らず、ヒト、データ、プロセスなど、さまざまなものが対象となります。
一足先に導入が進むIoT「Internet of Things(モノのインターネット)」が、デバイス、電化製品、医療機器、自動車など、モノをインターネットにつなげて情報のやり取りを行うのに対して、すべてを対象とするIoEは、IoTをも含んださらに大きな概念ということになります。
モノ、ヒト、データなど、より多くのものがインターネットにつながっていくと、集まった情報を活用して、社会にとってより便利で価値のあるサービスを生み出すことも可能となります。すでに各所で成果を出し始めているIoEですが、今後さらに導入を広げて、人々の暮らしやビジネスを変えていくと期待されています。
IoEの周辺概念〜IoC、IoH、IoA、IoDとは?
IoEはすべてを対象とする大きな概念であり、この中にはモノを対象にするIoTのほかに、次のようなものを含みます。
- IoC
IoCは「Internet of Customers(顧客のインターネット)」のこと。顧客の課題解決を意識してIoTを活用する概念で、実際の利用者である顧客にとって価値のあるものを提供することを目指します。IoTによって得られる膨大なデータも、分析して顧客にとって最適なアクションへとつなげます。 - IoH
IoHは「Internet of Human(ヒトのインターネット)」のこと。ヒトがインターネットに接続する概念を指しますが、ICチップを体に埋め込むような直接的な方法だけでなく、スマートフォンや時計、メガネ、衣服などのウェアラブルデバイスによってインターネットに接続されている状況も含みます。生体情報のほか、位置、行動、感情などは常時データ化され、健康管理やマーケティングに活かすことができます。 - IoA
IoA「Internet of Ability(能力のインターネット)」は、人間がインターネットに繋がり、人の能力が強化されることを表します。IoTやIoHの次の段階にある技術です。すでに体に装着するアシストスーツ(パワードスーツ)がIoAの一種として実現しているほか、将来的には、AIとの組み合わせで思考能力を高めることも可能になると予想されています。 - IoD
IoDは「Internet of Digital(デジタルのインターネット)」のことで、デジタル機器をインターネットにつなぐことを指します。パソコン、スマートフォン、タブレットのような端末のほか、サーバーや基幹システムなどをネットに接続することも意味しています。
IoEで社会はどう変わる?
IoEによってあらゆるモノ、ヒト、コトがインターネットに接続されると、多種多様かつ膨大なデータが集まり、この分析によって社会に役立つ新たな仕組みやサービスにつなげていくことができます。IoEがもたらす社会の変化について見ていきましょう。
行政サービス
行政サービスへのIoEの導入は、ヨーロッパを中心に2000年ごろから始まり、日本を含めて広がりつつあります。たとえばスペイン・バルセロナでは、路上に敷設した駐車センサーで車道の駐車スペースを管理し、市民はアプリなどで空きを確認することができます。街灯の点灯時間や照度、公園や街路樹の散水や噴水など、多くの公共物がIoT/IoEのテクノロジーで自動制御され、経費節減に役立っています。日本においても、ゴミ箱にセンサーを内蔵し効率的なゴミ回収を可能にするスマートゴミ箱の導入が広がっています。

ビジネス
建設や製造業、倉庫などの作業現場では、効率化や労働環境改善の観点から技術の導入が急がれています。安全性を高め身体への負担を軽減するアシストスーツ、人手作業を減らすロボットなどの活用が始まっており、現場のあらゆる機能が相互につながる産業用IoEも注目されています。
小売業では、来店した客の属性や購入履歴などからより適切な接客が可能となり、売上の向上につなげられます。そのほかの業種でも、業務の効率化や経費削減とともに、より良いサービスや商品の提供が行えるようになります。
医療
医療の現場では、オンライン診療やインターネットを使った新しい診療形態が広まっていくと考えられます。従来手作業で行われてきた検査や計測の自動化も期待できます。また、患者に関するデータをさまざまな端末から集約してデータベースとして利用できるほか、薬剤や医療機器の情報をリアルタイムで把握できるので、業務の効率化が図れます。最適な治療法の立案にも活用されることでしょう。
交通
すでに実現している事例として、オーストラリアでは、IoEを活用して交通事故や渋滞の防止に役立てています。高速道路に大量のセンサーやカメラを設置し、ネットワークに接続することで、ドライバーに最新情報を提供。交通事故や渋滞予測の情報、天気による交通への影響に関する情報などを発信して、安全で快適な運転をサポートしています。
まとめ
IoTの先にあるIoE。未来のテクノロジーと受け止められがちですが、すでにIoEの成果として市民サービスの改善につながっている事例も出てきました。すべてがインターネットにつながることで得られる膨大なデータは、それを一元管理することで課題解決の可能性を広げ、社会を変えていく力になります。IoEの動向については、今後ますます注目されていくことでしょう。
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