2023.01.26
自販機もITで進化する!最新機能から業界を救うDXまで
- #DX

2021年末時点で国内に約270万台あるとされる自動販売機。見慣れた身近な存在ながら、最近ではITの導入によって進化の著しい分野でもあります。AIが販売をサポートする自販機が話題になったり、IT化を進めて収益アップや業務の効率化を図っている事例も注目されています。最新事情を見ていきましょう。
ITで進化する自販機
AIやIoTなどのデジタル技術を取り入れることにより、多種多様な自販機が出てきています。従来の自販機にはなかった商品を取り扱ったり、キャッシュレス決済が可能になるなど、自販機にも変化の波が来ています。
AI技術で自販機に新機軸
AIを活用して、自販機上で利用者ごとに好みに合わせて商品を提案したり、売れ残りを防ぐ調整が可能になりました。
カネボウ化粧品が凸版印刷と共同で開発した「KATE iCON BOX(ケイトアイコンボックス)」は、AIカメラで顔の形や肌の明るさを解析し、似合いそうな色を提案。サラダの自販機「SALAD STAND(サラダスタンド)」は、AIカメラで得たデータに賞味期限や時間、天候などのデータを組み合わせて需要を予測し、自動で価格を下げて売れ残りを防ぎます。
AIカフェロボット「root C(ルートシー)」は、スマホの専用アプリでコーヒーを注文すると、指定した時間にロッカー形状の自販機で淹れたてのコーヒーが受け取れる仕組み。注文時には、AIが利用者の好みに合ったコーヒーを提案してくれます。
キャッシュレス決済に対応
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いを済ませる方法のこと。クレジットカード、デビットカード、交通系や流通系の電子マネー、QRコード決済・バーコード決済など、さまざまな種類があります。現金払いが好まれてきた日本でも、コロナ禍で非接触決済へのニーズが高まったことなどから、キャッシュレス化が加速しています。
この流れを受けて、従来硬貨を中心に現金で支払うイメージが強かった自販機でも、キャッシュレス決済に対応するタイプが増えてきました。飲料メーカーや自販機メーカー各社は、自販機本体にカードリーダーを組み込んだ形で提供。徐々に増設を図っています。既存の自販機に後付けできる決済端末も出てきており、キャッシュレス決済対応が進んでいます。
ネットワーク配信型デジタルサイネージ
自販機のディスプレイを使って情報を発信する、デジタルサイネージ機能も注目されています。ディスプレイは、従来型の自販機に埋め込まれた小さなものから大型のタッチパネル液晶までさまざま。ネットワークとつながっているため、商品広告に限らず、防災・災害情報などをリアルタイムで発信するサービスが可能になりました。
近頃大型ショッピングセンターや駅などで見かけるようになったのが、タッチパネル付きの大型液晶ディスプレイを自販機前面に配置したタイプ。従来の飲料サンプルが並んでいた部分はなくなり、代わりに液晶ディスプレイ上で商品画像や情報を確認して、商品をタッチパネルで選択します。ディスプレイはデジタルサイネージとしての機能も併せ持ちます。
さらに、AIカメラを搭載したタイプでは、カメラから得たデータ(人流、利用者の属性など)をもとにデジタルサイネージの表示コンテンツを最適化することもできます。
自販機業界を救うDX
飲料メーカーや自販機業界は、自販機の管理・運営において、収益率の悪化やルート担当者(ドライバー)の過重労働などの課題を抱えています。現在、そのソリューションとして進んでいるのがAIやIoTなどのIT活用で、業界全体を変革するDXへとつながることが期待されています。
AIカメラでマーケティングデータを取得
AIカメラを搭載した自販機では、利用者の性別や年齢などの属性を推定し、購買情報と合わせて属性ごとの傾向分析が可能です。このデータから販売商品を最適化し、収益アップや廃棄ロスの低減をねらっています。
故障情報や在庫情報をリアルタイムに把握
ネットワークにつながっていることで、遠隔から自販機の故障や在庫状況についての情報をリアルタイムで把握でき、メンテナンスや補充業務に迅速に向かうことができます。故障や欠品による販売の機会ロスが減り、収益アップが見込めます。
AIによる補充業務の最適化
自販機が収集するさまざまなデータから、AIがそれぞれの自販機における最適な補充本数、品揃え、在庫数などを予測。精度の高い予測ができるので、補充業務の最適化・効率化が図れます。在庫の最適化により収益率が改善します。
さらに、AIが訪問スケジュールや毎日のルートの策定まで自動で行ってくれる新サービスも(600(株)「Vending Hero」)。ルート担当者は最適なタイミングで最適なルートでの訪問が可能となるため、補充業務の効率アップが図れます。
キャッシュレス決済
自販機でキャッシュレス決済の対応が進むと、利用者にとっての利便性が向上するだけではありません。売上金の回収や釣銭の準備などを行うルート担当者の負担が軽減され、補充業務の効率化に役立ちます。
まとめ
IT化が進む自販機の現状について、自販機そのものと自販機のオペレーションの2つの側面からご紹介しました。自販機の利便性が上がれば利用者に喜ばれ、売上アップにつながり、双方にとってメリットになります。ITの活用によって、自販機業界においても新しい景色が広がりつつあるようです。