2023.01.13
物流倉庫のDXとは? 物流業界の課題を解決へと導く
- #DX

デジタル技術の活用によって根本的な変革を目指すDX(デジタル・トランスフォーメーション)。負担が増し難題山積の物流業界においても、急速に広がりつつあります。ここでは、特に物流倉庫の現場に絞り、DXが求められる背景や内容、用いられる最新技術について解説していきます。
物流業界の現状と課題
時代の変化とともに、物流業界の状況も厳しいものとなっています。物流倉庫においてDX化が急がれる背景として、物流業界の現状を見てみましょう。
小口配送の増加による負担増
コロナ禍の影響で、ネット通販やメルカリ、ヤフオクなどの個人間取引の利用者が急増。その結果、少額で少量の小口配送が増加しました。数量的な増加による負担増に加えて、小口配送の場合には仕分け作業の手間も増えるため、二つの側面から現場の負担が増す状況となっています。
さらに、小口配送が増えたことで輸送効率が下がり、物流コストの上昇を招いています。小口配送の増加による影響は、現場の負担増のみならず物流コストにも大きく作用し、早急に解決しなければならない課題となっているのです。
人手不足が深刻化
物流の需要が増していく中、物流業界は慢性的な人手不足に悩まされています。少子高齢化も大きな要因ですが、物流業界の仕事のハードさのために敬遠されているのも現実です。離職者の数に応じた若手の新規雇用が進まないため、人手不足と同時に労働力の高齢化も加速しています。
人手不足の結果、労働者一人あたりの業務量が増え、負担は重くなります。長時間労働も大きな問題となっており、人手不足解消への対策は待ったなしの状況と言えます。
エネルギー問題
物流倉庫は、その性質上24時間365日稼働している場合が多く、照明や空調を常時つけっぱなしにしています。その結果倉庫全体のエネルギー消費量が増加してしまい、テナントへの光熱費請求もひっ迫してしまいます。

物流倉庫のDXとは?
さまざまな分野において、IoTやAIなどの最新のデジタル技術を活用して業務を効率化するデジタル化が進んでいます。物流倉庫においても例外ではありません。
”IoT(Internet of Things)=「モノのインターネット」と呼ばれ、さまざまなモノをインターネットに接続できるようにして、もっと便利に使うための技術のことを指します。この技術を使うと、家電をスマートフォンから操作したり、現在の部屋の温度や湿度を遠隔地から把握できるようになります。
在庫管理、温度管理、現場管理、資材管理など、物流倉庫で行われる多くの管理業務がデジタル化によって省力化できます。具体的な方策としては、IoTカメラやセンサー類などの設置と管理システムの導入が一般的。インターネットにつながるIoT機器で、ネットワーク経由で倉庫の状態を管理することになります。
作業の省力化や自動化が進むと、人手不足や物流コストの問題にも改善の道が開けます。人為的ミスを防いだり、物流のセキュリティを高める効果も期待でき、根本的な変革へとDX化を進めることができます。

物流倉庫のDXに活用されるデジタル技術
物流倉庫のさまざまな工程において用いられる、最新のIoT機器やシステムを具体的に見ていきましょう。
主なIoT機器
IoT温度管理センサー
温度管理が必要な食品倉庫などで活用されています。離れた事務所や営業所でも、管理システムの画面などで倉庫内の複数箇所の温度を確認することができます。
IoTカメラ
ネットワークにつながったカメラの設置により、倉庫の管理や監視が低コストで可能になります。
IoT重量センサーを使用したデバイス「スマートマット」
スマートマット上に商品を置くだけで、計測した残量を棚卸データとして自動集計。棚卸作業を省力化します。遠隔から正確な在庫管理ができ、発注も可能です。
車両検知センサー
車両検知センサーの設置により、離れた場所からでも、倉庫荷降ろし場などのトラック在車状況を把握し、トラックへ入場指示ができます。
その他
センサー類としては、人感センサーや温湿度センサーなど。商品を自動でピックアップ するピッキングロボットも導入が広がりつつあります。
管理システム
カメラやセンサーなどのIoT機器を活用し、ネットワーク経由で各種業務を効率的に行うために、目的に応じたさまざまな管理システムが開発・提供されています。
在庫管理や入出庫確認をクラウド上で可能にするシステム、各種IoTセンサーを統合管理するシステム、受発注のシステム、温湿度センサーのデータをもとに倉庫の労働環境を監視システムなど、内容は多岐にわたり、物流倉庫の業務をサポートします。
また管理システムが発展してテナント・配送会社・倉庫管理会社の連携が可能となれば、集荷ルートの最適化などより高度なソリューションへと発展するでしょう。例えば倉庫内の物流量とトラック内の積荷量をある程度把握することができれば、クラウドを活用して集荷を最適化することができます。
まとめ
物流倉庫がかかえる多くの問題を解決するためにも、今、デジタル技術を活用した業務の効率化が急務と言えるでしょう。それぞれの施設のニーズに応じて、IoT機器や管理システムの導入を賢く進めていきたいものです。