2023.06.05

WELL認証とは? オフィス空間の新基準をご紹介

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人や環境を重視するSDGsやESG経営の考え方が広まりつつある中、働く人の健康に配慮したビルやオフィスの空間を評価する「WELL認証」への関心が高まっています。ここでは、「WELL認証」の概要や取得のための条件、取得によるメリットについてご紹介します。

WELL認証とは

WELL認証(WELL Building Standard™)は、オフィスや施設などの空間を対象に、働く人の健康の観点から評価する国際基準の認証制度です。2014年に米国で始まり、公益企業IWBI(International WELL Building Institute)が統括管理しています。

WELL認証は、人々の健康にフォーカスした評価システムであることが特徴で、身体的・精神的・社会的に健やかに働くことができるオフィス空間かどうかを評価します。働く人のウェルビーイング(*1)に重点を置く、時流に沿った認証制度と言うことができるでしょう。企業のあり方や個人の働き方が見直される中、今後オフィスの新基準となっていくと考えられています。

世界では、WELL認証の登録や認証件数の増加がめざましく、2022年8月時点での認証件数は、累計で731件(33ヵ国) 、加えて696件(35ヶ国)が予備認証を受けています。中国、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなど、先進国を中心にWELL認証の登録に積極的で、オフィス、商業施設、ホテルなどにおいてWELL認証の取得が広がっています。

日本においても、SDGsやESG経営(*2)への関心の高まりとともに、WELL認証の取得を目指す企業が増えてきました。2016年以降年々増加し、プロジェクト登録が累計で102件、そのうち24件が認証を得ています。(2022年9月20日現在)

*1 ウェルビーイング(well-being)は、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念。心身の健康だけでなく、すべてが満たされた、広い意味での「健康」や「幸福」を表します。

*2 ESG経営とは、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を重視する経営方法です。ESG経営は、投資家からの評価を高め、資金調達がしやすくなるメリットがあるとされています。

WELL認証の評価項目

WELL認証では、数度の改訂や試行を経て、現在では、2020年9月15日にスタートした「WELL認証v2(WELL v2)」に沿って新規登録を行っています。基本的にすべての建物タイプが対象です。

WELL v2の評価項目は、「空気」「水」「食物」「光」「運動」「温熱快適性」「音」「材料」「こころ」「コミュニティ」からなる10のコンセプトと「イノベーション」で構成されています。すべての項目について審査され、一定の基準をクリアした上で、点数により「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」のいずれかの認証が取得できます。

それぞれのコンセプトには、達成するべき「必須項目」と「加点項目」が定められており、企業は、まず必須項目をクリアし、さらに加点項目に取り組む必要があります。たとえば「空気」の場合には、「空気質」「禁煙環境」「換気の設計」「建設段階の汚染管理」の4基準をすべて満たしていなければなりません。その上で「加点項目」を満たして加点をねらいます。

WELL v2 評価項目表
出典:一般財団法人グリーンビルディングジャパン「WELL v2 評価項目」

なお、審査は2段階で行われ、書類審査通過後に、現地審査で環境測定とスポットチェックが実施されます。

WELL認証を取得するメリットとは

WELL認証はウェルビーイングに重点を置いた評価システムであることから、そのオフィス空間で働く従業員には自ずと多くの恩恵がもたらされます。さらに、取り組む企業にとっても大きなメリットがあり、近年関心を集めています。

従業員のウェルビーイングが向上する

WELL認証の取り組みによって、従業員が⼼⾝ともに健やかに働ける環境が整います。これにより、従業員の満⾜度が向上し、優秀な人材の確保も容易になると期待されます。優れた環境では、知的生産性も向上が望めます。

企業価値が高まる

WELL認証は国際基準の認証なので、この取得により企業のステータス向上が見込めます。また、SDGsやESG経営の考え方と重なる部分が多く、認証されれば国内外の投資家からの評価が高まることが予想されます。その結果資金調達がしやすくなるなど、企業経営においても得がたいメリットがあると考えられています。

不動産価値が高まる

健康や快適性につながる国際基準の認証を取得した施設として、建物の価値が上がります。テナントや不動産投資家からも好まれて選ばれる物件となります。

まとめ

WELL認証により、オフィスで働く人のウェルビーイング向上が達成されるとともに、企業にとっても大きなメリットが期待できます。認証の取得への道のりには多くのハードルがあり、決して簡単ではありませんが、取得の価値は大きく、認証を目指す企業は今後ますます増えていくことでしょう。

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