2024.03.13

ICTが実現するユニバーサルデザインとは? 基本的な考え方や具体例をご紹介

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老若男女、さまざまな個性を持つ人々が暮らす社会において、すべての人にとって使いやすいものを求める取り組みが加速しています。その中でキーワードとなるのが「ユニバーサルデザイン」で、近年よく耳にするようになりました。今回は、あらためてユニバーサルデザインとはなにか、またICTがユニバーサルデザインの実現にどのように関わっているかなどについて解説します。

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザイン(Universal Design)とは、身体能力の違いや年齢、性別、国籍などに関わらず、すべての人にとってわかりやすく利用しやすいデザイン、あるいはそのデザインの考え方を表します。頭文字をとって「UD」と略されることもあります。

ユニバーサルデザインは、施設や製品のような「モノ」から、標識や印刷物、Webメディアなどの「情報」まで、あらゆるものを対象とします。「モノ」のユニバーサルデザインとしては、自動ドア、スロープ、手すり、多機能トイレ、利き手を選ばないハサミなど、「情報」のユニバーサルデザインでは、ピクトグラムや配色に配慮した案内表示、音声付き家電、駅のアナウンスやディスプレイなどを挙げることができます。いずれも、使う人を選ばずだれもが使いやすいユニバーサルデザインです。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインと混同されがちな言葉に、バリアフリーがあります。バリアフリーは、高齢者や障害者などが社会生活をしていく上で障壁(バリア)となっているものを取り除くことを目指します。つまり、高齢者や障害者など一部の人を対象に、障壁を「後から」取り除いていく取り組みと言えるでしょう。

一方のユニバーサルデザインは、すべての人を対象とし、「初めから」だれもが使いやすいようにデザインします。高齢者や障害者を特別扱いして既存のものに手を加えるのではなく、すべての人が利用しやすい形を、デザインプロセスの最初から目指すのがユニバーサルデザインなのです。

ICTが実現するユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインの対象は幅広く、取り組み方についてもさまざまな手法がありますが、近年ではICT(*)の活用により、画期的な形で多くの課題が克服されつつあります。ICTの最新技術によってこれまでになかったソリューションが続々と生まれ、あらゆる人にやさしく使いやすい設備や施設、サービスなどが実現しています。

*ICT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」のこと。ITと同様にインターネットなどの通信技術やハードウェア・ソフトウェアなどを指すほか、広くサービスや産業に関しても使われる用語で、近年ではITに代わりICTが積極的に使われるようになっています。

たとえば、社員に多くの障害者を擁する株式会社ミライロでは、ICTをフル活用することで、だれもが活躍できるユニバーサルデザインな環境を作っています。車イスの利用者は、自宅などからでもオフィスにいる社員とコミュニケーションをとりながら仕事でき、視覚障害のある社員は、音声読み上げソフトや点字ディスプレイを使うことで健常者と遜色ないパソコン作業をし、聴覚障害のある社員は、音声を文字化するアプリケーションや遠隔手話通訳を活用して研修や会議でも積極的に発言しているとのこと。ユニバーサルデザインの実現のために、ICTがいかに力を発揮するかがわかる好例と言えるでしょう。

ICTを活用したユニバーサルデザインの具体例

ICTを活用したユニバーサルデザインの例をご紹介します。

自動ドア

ユニバーサルデザインの代表例に、マンションやスーパーの出入り口などで見かける自動ドアがあります。すでに長く私たちの暮らしに馴染んでいますが、この自動ドアも、すべての人に利便性をもたらすユニバーサルデザインの設備です。ノブを回したり重いドアを押すなどの動作が不要になるため、車イスの人、視覚障害のある人、高齢者などに限らず、ベビーカーを押す人や両手に荷物を抱える人など、あらゆる人にとって使いやすい設備となっています。

この自動ドアの機能は現在も進化中で、ICTを活用した新世代の自動ドアも生まれています。弊社ハウディと株式会社ミライロ、フルテック株式会社の3社で開発した「ミライロドア」は、通行者一人ひとりに合わせて開閉方法を変更できるほか、視覚障害のある人には音声案内をするなどのサポートが可能です。個々に最適な動作が行われるため、自動ドアの利便性や安全性を高めています。

参考国内初!すべての人にやさしい新世代の自動ドア「ミライロドア」を開発

新世代の自動ドア「ミライロドア」イメージ図

センサー式蛇口

センサー式蛇口では、手を近づけただけでセンサーが反応して自動的に水が出ます。手に障害がある人、握力の弱い子どもや高齢者など、だれでも無理なく利用することができます。ひねるタイプのもののように蛇口に触れる必要がないため、衛生的に使うことができるメリットもあります。

スマートフォン

今や生活必需品となったスマートフォンは、最も身近なICT機器なのではないでしょうか。ユニバーサルデザインの観点から見ても、ICTの恩恵を受けて好ましい機能を数多く揃えています。個々のニーズに合わせて、文字の大きさ、音量、画面の明るさなどを変更できるほか、視覚障害や聴覚障害のある人のために音声の文字起こしや読み上げ機能も備わっています。外国語対応も進み、すべての人にとってますます便利なツールとなっています。

スマート家電・スマートホーム

AIやIoTを活用したスマート家電やスマートホームは、家電をインターネットにつなぐことで人々の暮らしを便利で快適にするものですが、とりわけ体の不自由な高齢者や障害者にとっての大きなイノベーションとなりました。従来、機器をコントロールするには何かしらの操作が必要でしたが、たとえばスマートスピーカーを通じてであれば、部屋の照明、テレビの電源、ラジオや音楽など、話しかけるだけで操作できます。ICT活用の効果が大きい分野と言えるでしょう。

教育現場

教育現場においてもユニバーサルデザインの考え方が重要視されるようになり、そのためのツールとして、パソコンやタブレット端末の1人1台配備を実現した学校が確実に増えています。1人1台端末を使うことで、個人に合わせた授業の展開もできるようになったと報告されています。また、コロナ禍を機にオンライン授業の整備も進み、登校できない生徒に学習を保障する手立てとなっています。

まとめ

すでに身近なところから着実に浸透しつつあるユニバーサルデザインですが、加えて今後は、ICTの進歩と共にその活用によって一層広がっていくことが期待されます。超高齢社会を迎える日本において必須の取り組みでもあり、だれもが自分のこととして向き合っていきたいものです。

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