2023.05.29
ビル丸ごとスマート化! スマートビルを理解するための基礎知識
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スマート家電からスマートシティまで、さまざまな規模でスマート化が進む昨今、ビルを丸ごとスマート化するスマートビルについても、めざましい進歩に注目が集まっています。ここでは、スマートビルの基礎知識として、スマートビルとはどのようなものか、また実際にどんなことができるのかという2点に絞って解説します。
スマートビルとは
スマートビルとは、一般に、IoTやAIなどの最新のデジタル技術を活用してスマート化を進めた建物を指します。スマートビルでは、建物内各所に設置したIoT機器からのデータをシステム上で一元管理し、自動運用や相互に連携させることが可能です。これにより、ビル管理の効率化や省エネを図り、利用するすべての人にとっての快適性・利便性の向上を目指しています。
たとえば、スマートビルでは、人が集まる場所の空調や照明を状況に合わせて自動的に調整することができます。最新の事例では、入退館ゲートで顔認証すると、エレベーターで階数ボタンを押さなくても自身のオフィス階へ移動できるシステムも登場しました。いずれも、ビル管理者にとってのメリットに加えて、利用者の利便性を重視したソリューションとなっています。
近年ビルのスマート化の流れは急速に進み、新築または建設中のオフィスビルや複合ビルの大半がスマートビルとなっています。既存のビルを改修してスマートビルに刷新するケースも目立ってきました。スマートビルへの取り組みは、新築に限らず改修においても、ビルの規模に関わらず幅広く進められているのが現状です。
スマートビルを支えるIoT機器とビルOS
スマートビルでは、さまざまなデータを収集するIoT機器がビル内各所に張り巡らされています。空調、照明、防災、セキュリティなどのための設備機器、各種センサー、カメラ、制御機器などがこれに当たります。
ビル内のあらゆるIoT機器からのデータを収集して管理しているのが、ビルOS(建物OS)です。ビル全体を統合的に管理するシステムで、異なるメーカーの設備機器間であってもシームレスに連携して一元管理できるのが大きな特長です。データを共有して制御できるほか、データの蓄積や送受信も行います。また、蓄積されたデータをAIが学習し、機器設備の故障予兆の早期発見やランニングコスト削減などにつなげることも可能です。
スマートビルによって何が実現できるのか
スマートビルには、ビルの管理面で大きなメリットがあります。また、ビルを利用する側のテナントや従業員などにとっても、便利で快適な空間となるためのソリューションを数多く提供しています。スマートビルによって何が実現できるのか、最新のスマートビルの事例から代表的なものを見ていきましょう。
ビル管理者向け
エネルギー管理の最適化
BEMS(Building Energy Management System:ビルエネルギー管理システム)によってエネルギーの使用状況が「見える化」するため、それに基づいて空調や照明を最適にコントロールすることができます。これにより電力使用量やピーク電力が抑えられ、省エネ・CO2排出量の削減やコスト削減の効果が見込めます。
参考:「ビルのエネルギーを効率的に管理するBEMSとは?」(https://haudi.jp/smartup/magazine/bems_introduction)
入退館管理の自動化
AIカメラの画像認識技術を使って入退館管理を自動化します。オフィスの入退館ゲートでは、登録者は非接触で通過できるほか、体温センサーを併設して感染症対策にも対応。不審者を検知すると警備スタッフに即座に通知する機能もあり、ビル利用者の安全性向上とともに警備業務の省力化が図れます。
ロボットによる省人化
自走式のサービスロボットが実用化しています。清掃ロボット、搬送ロボット、巡回警備ロボットなどがあり、エレベーターとも連動して階をまたぐ移動も可能です。人件費削減が見込めます。

機器設備の故障予兆の早期発見
センサー類で常時監視することで、ビル内の機器設備の不調を早期に発見。大規模な故障に陥る前に対処できます。
テナント・従業員向け
入退館ゲートとエレベーター連動機能
顔認証やBLEタグの利用で、テナント企業の従業員は入退館ゲートをタッチレスで通過できます。エレベーターと連動してそのままオフィス階に移動できる機能も登場し、利便性が向上しています。
会議室予約
テナント企業の従業員は、スマートフォンのアプリなどで、自社の会議室やデスクの予約・利用状況をリアルタイムで確認でき、予約や利用開始・終了の操作ができます。
混雑可視化
テナント企業の従業員向けに、専用アプリやデジタルサイネージを使って、テナント共用のフリースペース、エレベーターホール、トイレ、飲食店などの混雑状況をリアルタイムに配信。利便性が高く、混雑解消にもつなげられます。
テナントのマーケティングをサポート
商業施設では、センサーで収集したデータから、ビル利用者の人数、性別、年代といった情報を統計化してテナント(店舗)に提供。テナントは、集客のための施策や売上予測などに活用することができます。デジタルサイネージに表示されるテナントごとの混雑情報も、集客向上に活用できます。
まとめ
スマートビルは、ビル管理の効率化や省エネと、ビルを利用するすべての人にとっての利便性・快適性の両立が可能なビルです。今後、スマートビルが新たなスタンダードになることは間違いありません。新しいテクノロジーとともにめざましく進歩するスマートビルの取り組みを、引き続き注目していきましょう。