2023.01.13
人感センサーでできること~仕組みから活用例・メリットまで解説~
- #IoTデバイス

私たちの生活に身近に存在する自動ドアや、自動で点灯・消灯するトイレの照明などは、どのようにして操作されているのかご存じでしょうか?この記事では人の動きに反応をして機器の動きをコントロールする「人感センサー」に焦点をあて、詳しく解説していきます。
「人感センサー」とは?
その名の通り、人の動きを検知して反応するセンサーの総称です。このセンサーに人が近づくと、人感センサーと連動している機器のスイッチが自動的にオンになったり、逆に人が離れるとスイッチがオフになったりします。トイレや玄関、更衣室など、人の出入りの多い場所で多く使用されています。
私たちの周りで最も日常的に使用されている人感センサーといえば、焦電型赤外線センサーでしょう。実は、人間の体は赤外線と呼ばれる人間の目では見えない熱エネルギーを常に発しています。焦電型赤外線センサーは、人間の体から発されるこの微弱な熱エネルギーを検知して、外部に電気信号を送っています。このタイプは検知範囲が広く安価なため自動ドアや照明の自動制御にもよく使われています。
焦電型赤外線タイプ以外にも、音に反応する音感センサーや、対象物までの距離を計測する超音波センサーなど様々な種類が存在し、使用場所や用途によって適切に使い分ける必要があります。いずれにせよ人の動きを検知することはとても重要で、照明の消し忘れを防いで節電が出来たり、敷地内への無断侵入を検知したときに録画が開始されるカメラで防犯対策ができたりと私たちの生活を助けてくれます。
人感センサーには色々な設置方法があります。自動ドアの開閉や照明の自動制御に使用されている人感センサーは、建物の天井や操作する対象の機器と一体化している場合が多いです。最近はBluetoothやWi-Fiなどの無線通信に対応したスタンドアローンタイプの人感センサーも登場しており、こちらは設備に後付けすることが可能です。

人感センサーの仕組み
周囲の空気の温度の変化や温度差、音などを検知して、照明などの機器を作動させます。一般的に親器(設定した時間内に検知しなければ消灯する、人が居なくなってからの経過時間。親は限られたエリアでのみしか使用できない。)と子器(子器単体では使用できない、親器と連動して検知範囲を広げる)があります。
検知範囲
人感センサーには天井に設置するタイプと、壁面に設置するタイプがあります。それぞれ検知範囲が異なります。
天井・・・距離 高さ約2.2m 直径約3m / 角度 左右約70°
施設や店舗などで多く用いられています。
壁面・・・距離 横約2m 縦約1.6m / 角度 左右約60° 上下60°
一般家庭などの居住スペースで多く用いられています。
施設内すべてをひとつの人感センサーでは検知範囲を補えないので、親器と子器を連動させて検知範囲を広げています。

人感センサー導入のメリット

快適な暮らしを実現
夜間の帰宅時や空き部屋などに入室した際、スイッチを探す手間が省け、自動で点灯。退室時には人の動きを検知し、自動で消灯するので消し忘れの心配もありません。自動ドアは両手がふさがっている時など、とても便利です。
小さなお子様の手の届かない位置に設置されたスイッチでも、センサーで人を検知して照明をつけることができます。
節電にもつながる
人がいない部屋の空調や照明を自動で消してくれるので無駄な電気代を削減することができます。
空調の場合、人数によって変動する部屋の温度に柔軟に対応したり、長時間の運転を抑止する設定を行うこともできます。
セキュリティも安心
玄関に人感センサーを設置することで、敷地内に人が侵入するとライトを照らしたり、防犯カメラが作動するなどがあります。玄関や窓付近、人通りの少ない道路面の敷地など死角になりやすい場所に設置することにより、侵入のリスクを減らすことができます。
感染症のリスク軽減
商業施設やオフィス、学校など不特定多数の人が多く出入りする建物の照明スイッチなどに人感センサーを使用することで、スイッチに触れずに操作が可能になるので感染症対策にもつながります。
また、室内の人数によって換気扇の強さを変えるなど、最適な空気の入れ替えを簡単に行えます。
人感センサーの活用方法
実際にどんなことができるのか、活用シーン別でご紹介します。
住宅
人感センサーを使用することで、照明や空調機器の消し忘れを防ぐことができます。また、室内の人数によって空調を調節することもできます。自宅介護のシーンでは夜間に行動があった場合に通知が行くようなシステムを組むことも可能です。
オフィス
人感センサーによって人の集まる時間を検出したデータから休み時間の分散に役立ち、人の流れをつくることができます。会議室の使用率からオフィスの増設の検討、また、反対に空き部屋の状況が多い場合はオフィスの縮小などで固定コストの削減も可能になります。
※オフィスに人感センサーを取り入れた「スマートオフィス」についてはこちらの記事でも解説しております。『スマートオフィスで働く環境を最適に』
介護施設
廊下に人感センサーを設置することで、夜間照明のついていない廊下で入居者の転倒を防ぎます。また、人感センサーの情報をオンタイムで管理室に通知するシステムを導入することでトイレにいる経過時間をお知らせするなどができるようになります。
※介護施設で人感センサーを使用した「介護DX」についてはこちらの記事でも解説しております。『介護DXはここまで進んだ! 最新のテクノロジーが介護現場を変える』
教育現場
誰もいない教室の照明を消灯することで、電気代の大幅な削減が可能になります。防犯面では部外者が敷地内への侵入を検知した際にアラートを出すこともできます。
まとめ
人感センサーは商業施設内のトイレの照明や、エスカレーターの自動作動、空調の自動調節など、すでに多くの場所で導入されています。
人感センサーは既存の建物内にも後から設置が可能です。電球と人感センサーが一緒になったものもあるので簡単に、電球を設置するだけで点灯・消灯が自動で行えるようになります。
また、人の動きを記憶させオートメーション化することも可能なので、1階から2階への移動をキャッチすると2階の照明を点灯することができたり、居住者の動きに合わせた動きが可能になり、より便利な生活ができます。
今後は商業施設に限らず、多くの住宅などへ普及されていくのではないでしょうか?