2023.06.12

スマート技術でオフィスのウェルビーイング向上! WELL認証取得ビルのご紹介も

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昨今、働く人の健康やウェルビーイングに配慮したオフィス空間を目指す動きが目立っています。国際的な認証制度「WELL認証」を指標として、多くの企業が取り組みを始めています。ここでは、オフィスにおけるウェルビーイングの向上に役立つスマート技術を中心に、実際にWELL認証を取得したビルについてもご紹介します。

参考WELL認証とは? オフィス空間の新基準をご紹介

オフィスのウェルビーイング向上に役立つスマート技術

ウェルビーイング(well-being)は、身体的・精神的・社会的に健やかで満たされた状態を意味する概念です。オフィスにおいてウェルビーイングの向上を図るということは、すなわち、働く人が心身ともに健康で、社会的に満足して働ける環境を目指すことを意味します。

近年、そのためのソリューションとして期待されているのが、IoTやAIをはじめとするスマート技術です。オフィスのウェルビーイングの向上に効果的で、WELL認証にも役立つスマート技術について、WELL認証の最新版WELL v2の評価項目(*)に沿って見ていきましょう。

*WELL v2の評価項目は、「空気」「水」「食物」「光」「運動」「温熱快適性」「音」「材料」「こころ」「コミュニティ」からなる10のコンセプトと「イノベーション」で構成されています。

「空気」の質を高度にコントロール

オフィス環境の中でも、近年特に重要視されているのが空気の質です。空気の質には、温度、湿度、二酸化炭素(CO2)、PM2.5などが関わりますが、これらの条件が悪化すると、仕事の生産性ばかりか健康にまで影響を及ぼすことがわかっています。

空気の質を向上させるには、適切な換気が必要です。そのための第一歩が空気の質の見える化で、空気中に含まれるCO2濃度やPM2.5などのデータを各種IoTセンサーを使って常時モニタリングし、空気の状態を把握します。これに連動して換気装置が働き、適切なタイミングで自動換気がされるシステムとなっています。

換気のコントロールに人の密度のデータを活かすことも可能で、センサーや空間スキャナといったセンシング技術が役立てられています。空気の質をモニタリングしながら、人の増減に応じて自動換気を行う、フレキシブルな換気システムも実現しています。

参考空気が支えるオフィスのウェルビーイング、カギはCO2濃度のコントロール

空気がきれいそうなオフィスのイメージ

温度・湿度の管理で「温熱快適性」を高める 

オフィス空間の温度・湿度をセンサーで感知し、状況に合わせてエアコンなどの空調設備を自動的にコントロールできるシステムで、働く人の快適性を高めています。さらに進めて、個人単位での快適性向上を目指した、空調の個別制御も可能になりつつあります。

また、空調設備も多様に進化しており、床吹き出し空調や躯体蓄熱型放射空調を採用する例も出てきています。

「光」の量や色を変えて体内リズムを整える

人を含め生物には、約24時間周期のリズム「サーカディアンリズム(概日リズム)」が備わっています。このリズムの乱れが長引くと、健康に悪影響が出てしまいます。リズムを正常に整えるためには、規則正しい生活が基本になりますが、朝日を浴び、夜は光を抑えること、つまり光が大きな役割を果たしていることがわかっています。

オフィス空間では自然光を十分に浴びることは困難ですが、LED照明で光の量(明るさ)や光色(色温度)を調節することで、自然光に近づけた照明が可能となりました。こうして生体リズムに合わせるように時間帯によって調光調色できる照明を「サーカディアン照明」と呼び、オフィスへの導入が進められています。画像センサーを組み合わせて、人の動きと明るさを同時にコントロールできるシステムも開発されており、快適性に加えて省エネも実現しています。

「音」が気にならないサウンドマスキング

会議室のように音が発生する空間で、あえて他の音を流すことで、音や会話が漏れることを防ぐシステムを「サウンドマスキング」と言います。音で音を消す仕組みで、使われるのは、空調音や川のせせらぎのような環境音が多いようです。サウンドマスキングによって、秘匿性の高い会話を周囲に聞こえにくくする効果があります。逆に周囲で働く人にとっても、自分の作業に集中しやすくなるメリットがあります。

個人スペースと共用スペースが隣接するレイアウトのスマートワークプレイス向けに、個人の位置情報と連携して、必要な時に必要な場所にだけマスキング音を放射するシステムも生まれています。

WELL認証を取得したビル

ウェルビーイングに配慮したオフィス空間の代表として、WELL認証を取得したビルをご紹介します。WELL認証にはブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのレベルがあり、すでに日本においても多くの企業がゴールドやプラチナを目指して取り組み、獲得しています。

コワーキングスペース「point 0 marunouchi」

2020年12月、WELL認証v2ゴールド取得。コワーキングスペースとしては国内初の認証取得で、複数の温度環境を実現したゾーニング空調やサーカディアン照明など、さまざまな工夫が凝らされています。ダイキン、パナソニック、オカムラを中心に多くの大手企業がタッグを組んで実現したオフィス空間で、未来の理想に向けた実証実験の場としても注目されています。

パナソニック・システムソリューション開発センター

2021年1月、WELL認証v2ゴールド取得。空気質を高めるシステム(全熱交換形換気システム、空気質モニター、空間除菌脱臭機など)やサーカディアン照明が採用されています。

アイリスグループ東京アンテナオフィス

2022年9月、プラチナ認証取得。サーカディアン照明、自律型のAI除菌清掃ロボットなど、自社製品を中心に活用してオフィス空間の快適性を高めています。

大林組研修施設「Port Plus」

2023年2月、プラチナ認証取得。サーカディアン照明やカメラ画像を用いた高度なIoT空調制御などにより、総合的に高得点を得ました。

日建設計東京ビル

2022年8月、日建設計東京ビル 7階のリノベーションにおいてプラチナ認証取得。サーカディアン照明、サウンドマスキングシステム、電動外ブラインドシステムなどを備えています。既存建物でも、リノベーションによって認証取得が可能であることを示しました。

このほか、 竹中工務店東京本店オフィスや清水建設東北支店新社屋などが認証を取得しています。

まとめ

オフィスで働く人のウェルビーイング向上を目指す取り組みは、WELL認証制度の後押しなどもあって、今後ますます広がっていくことでしょう。さまざまなソリューションがある中、スマート技術の活用は特に効果的で、むしろ必須であることは間違いありません。日々進化を続けるスマート技術に注目し、オフィス環境の改善に積極的に取り入れていきたいものです。

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