2023.03.27

スマートホテルとは? 注目の次世代型ホテルを深掘り

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住宅、オフィス、ビルや街など、さまざまな規模でスマート化が進む昨今、ホテルにおいても「スマートホテル」の開業が続き、次世代型ホテルとして注目されています。ここでは、スマートホテルとはどのようなホテルなのか、スマート化の内容やメリットとともに解説します。

スマートホテルとは

スマートホテルとは、ICTやAI、IoTなどの先端情報技術を活用してホテルの機能やサービスの効率化・高度化をはかった、新しいタイプのホテルのことです。ホテル業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めた宿泊特化型のホテルととらえることもできます。

スマートホテルの最大の特徴は、デジタル技術を駆使することでスタッフの省人化や無人化が実現していることでしょう。たとえばチェックイン業務では、従来フロントスタッフが対面で行ってきましたが、スマートホテルでは自動チェックイン機がゲストを迎えます。深刻な人手不足に悩むホテル業界にとって、大きなメリットとなっています。

ゲストの立場でも、新型コロナの影響から、非対面でのサービスが好意的に受け止められるようになりました。デジタル機器に抵抗のないゲストにとっては、チェックインに限らずルームキーの仕組みや客室内の設備など、スマートホテルならではの利便性が魅力です。

なお、既存のホテルにおいても、部分的にスマート化する取り組みが進んでいます。すでに多くのビジネスホテルやカプセルホテルで自動チェックイン機が稼働し、ルームサービスのリクエストなどができる多言語対応のタブレットを客室に設置したホテルも増えています。

スマートホテルの仕組みや設備

スマートホテルは、従来型のホテルにはない、スマートホテルならではの仕組みや機器設備を数多く備えています。代表的なものをご紹介しましょう。

スマートチェックイン・スマートチェックアウト

スマートチェックインの仕組みで主流になりつつあるのは、ゲスト自身が自動チェックイン機を使ってチェックインできるタイプです。フロントスタッフとの対面は不要で、フロントの混雑で待たされることも少なくなります。チェックアウト時には、スマートフォンのアプリなどで事前決済を済ませていれば、フロントに立ち寄る必要もありません。

スマートフォンを利用してカギの受け渡しが不要になる仕組みとセットで運用されることが多く、チェックイン・チェックアウト時のすべてが、スタッフと非対面のままで可能となります。また、顔認証で本人確認できるシステムの導入も進んでおり、チェックインはさらにスムーズになってきています。

スマホキー(スマートフォンのルームキー化)

これまでフロントで受け渡しを行ってきたルームキーやカードキーに代わり、スマートフォンのアプリの利用で、ゲスト自身のスマートフォンをルームキーとして使う仕組みです。ドアノブ付近のキーセンサーにスマートフォンをかざしたり、アプリで指示したりすることで解錠します。安全性が高く、外出時に預けるわずらわしさや紛失のリスクもありません。

客室設備のコントロール

客室内の照明や空調、カーテン、テレビなどを、ゲストのスマートフォンや客室設置のタブレットなどからコントロールすることができます。ホテルの管理側では、客室のセンサーからのデータで集中管理でき、利用されていない客室の機器の電源をオフにするなどのコントロールが可能です。

スマートミラー

スマートミラーはタッチパネル式のミラーで、館内案内などのホテルインフォメーションのほか、時刻、ニュース、天気予報など、旅行時に必要な情報を表示します。多言語対応も可能で、音楽コンテンツを選べるなど多彩な機能を兼ね備えており、それぞれのホテルのニーズに沿ってカスタマイズすることができます。スタイリッシュな外見も魅力で、今注目のホテル設備です。

スマートスピーカー

多言語対応で、客室設備のコントロールや使い方の説明などができるスマートスピーカーが設置された客室もあります。非常時の館内案内の役割も担うほか、音楽プレーヤーとしても利用できます。

スマートスピーカーの写真

客室タブレット

客室タブレットは、ホテルが提供するさまざまなサービスを集約した端末と言ってよいでしょう。客室設備の説明や館内案内、周辺の観光情報から、ルームサービスやアメニティのリクエスト、照明や空調のコントロールまで、タブレット一台で操作が可能です。

スマートホテルのメリット

上記のような仕組みや機器設備を備え、ホテルのあり方を大きく変えたスマートホテルには、次のようなメリットがあると考えられています。

感染リスクが低い

コロナ禍のもと、ホテルにおいても感染予防対策が必須とされる中、スマートホテルでは多くの場面で非接触・非対面での接客が実現していることから、感染リスクを低く抑えられます。

業務効率化で人手不足解消

ホテル業界では、コロナ禍以前から人手不足が大きな課題となっていました。スマートホテルでは、フロントやコンシェルジュをはじめとして広く業務を効率化し、少ない人員で運営することが可能で、人手不足の問題を解消しています。

ゲストの快適性・利便性の向上

スマートフォンひとつでホテル滞在中のあらゆることが操作できるシステムは、ゲストにとって利便性が高く快適な滞在につながります。チェックイン・チェックアウトが手早く済み、自分のスマートフォンがルームキーになれば便利ですし、空調や照明なども、好みに合わせて自在にコントロールできると快適です。アプリやデバイスは多言語に対応し、インバウンドゲストにとっても利便性の高いものとなっています。

省エネ・コスト削減

ホテルの管理側で照明や空調を集中管理し最適化できるため、消費電力の削減が期待できます。また、少ない人員で運営するスマートホテルでは、人件費を抑えられることも大きなポイントです。

日本のスマートホテル

諸外国に比べてスマートホテルの展開が遅かった日本ですが、近年、非接触・非対面が好まれるコロナ禍を経て新規開業が相次いでいます。スマートホテルを3つご紹介します。

「変なホテル」

2015年に長崎ハウステンボスに開業した「変なホテル」は、日本におけるスマートホテルのパイオニア的存在です。当時、世界で初めてロボットが接客するホテルとして話題を集め、実際にAIを搭載したロボットが、チェックイン、ポーター、清掃の業務を担っています。顔認証システムや客室タブレットも導入されています。

「プリンス スマート イン」

「プリンス スマート イン」は、プリンスホテルが展開するスマートホテル・ブランドです。2020年10月に東京恵比寿に1号店が開業、2023年2月末時点では全国7ヶ所において展開しています。非接触型サービスを基本に据え、チェックインは顔認証を取り入れたセルフチェックイン、ルームキーの機能やチェックアウトはスマートフォンで完結するシステムを採用しています。客室にはスマートスピーカーやスマートミラーが設置され、ロビーではマップ型のデジタルサイネージがゲストへの情報提供をサポートしています。

「ホテルB4T」

2023年1月、JR東日本グループが展開するスマートホテルの第一弾として、福島県いわき駅に「ホテルB4T」が開業しました。交通系ICカードSuicaの活用が特徴のスマートホテルで、予約からチェックインを経てチェックアウトまでの手続きが、Suicaとスマートフォンで完結します。SuicaやモバイルSuicaをルームキーとしても使用する仕組みも新しく、ホテルでの採用は日本初とのこと。サービスを徹底的に効率化し、非対面と省人化・無人化を進めたホテルとしても注目されています。

まとめ

新型コロナの影響もあって、ホテルに求められるおもてなしの形も変わりつつあります。人の手によるサービスの良さも認めながら、非対面でスピーディーかつ利便性の高いサービスを歓迎するゲストも少なくありません。デジタルネイティブ世代に限らず、今後スマートホテルのニーズは高まっていくのではないでしょうか。

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