2023.05.08
SDGsに貢献するIoT活用とは? SDGsの意味から取り組み事例まで
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政府の掛け声のもと、経済界から市民レベルまで、SDGsが幅広く浸透しつつあるのを感じる昨今です。ここでは、SDGsの意味を確認し、日本における優先課題をおさえた上で、主にIoTの活用によるSDGsへの取り組みについて具体例を交えて解説していきます。
そもそもSDGsとは
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、持続可能でより良い社会を実現するために、世界全体で取り組むユニバーサルな目標のことを指します。2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられ、2030年までの達成を目指しています。
SDGsは17のゴール(目標)からなり、世界が直面する課題を「貧困や飢餓、教育などの社会面」「エネルギーや資源の有効活用、働き方の改善、不平等の解消などの経済面」「地球環境や気候変動や環境保護などの環境面」の3つの側面からとらえてまとめられました。政府に限らず、民間企業や個人にまで行動が求められている点が大きな特徴です。

日本が優先的に取り組む8つの課題
世界の動きを受けて、2016年、日本政府は「SDGs推進本部」を設置し、「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」を策定しました。この中で、日本として特に注力していく目標を8つ、優先課題として掲げています。
- あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
- 健康・長寿の達成
- 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
- 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
- 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
- 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
- 平和と安全・安心社会の実現
- SDGs実施推進の体制と手段
こうした国の政策もあって、企業においてもSDGs達成に向けた取り組みが加速しています。SDGsへの取り組みは、社会貢献や信頼獲得に有効であるにとどまらず、中長期的には企業価値を高め、企業としての生存戦略にもなり得ます。多様性に富んだ人材確保や新たなパートナーシップ、またイノベーションにもつながることが期待されています。
SDGsとICT・IoT
SDGsへはさまざまなアプローチがありますが、企業の取り組みとしては、IoTやAI、ビッグデータといったICT(情報通信技術)の活用が注目される機会が多いようです。政府が優先課題に挙げる「科学技術イノベーション」にも該当しています。ICTを最大限活用することで、さまざまな社会的課題の解決と経済発展の両方をかなえ、SDGsの達成に貢献できると考えられています。
総務省の「デジタル変革時代のICTグローバル戦略懇談会」資料では、ICTがどのようにSDGsに貢献できるのか、分野ごとにICTソリューションを挙げて説明しています。以下はその一部です。
農業・食糧
- スマート農業システムを活用した効率的な農業運営(遠隔操作、IoTを活用した情報収集等)
- ICTを活用した需給管理
医療・介護
- センサー等を活用したモニタリングや診断、予防医療・予兆検知
- AI・IoT・ビッグデータを活用した医療診断システムの開発
都市・地域
- AI・IoT・ビッグデータを活用した基礎インフラと生活インフラ・サービスの効率的な管理・運営(スマートシティ)
- ICTを活用したエネルギーマネジメント
防災・環境
- 衛星・ドローン・センサーを活用した情報収集・災害情報の配信
- AI・IoT等を活用した各種災害の観測・予知
IoTを活用したSDGs取り組み事例
SDGsの取り組みについて、具体的な事例を見てみましょう。ここでは、IoTの活用に的を絞って、企業が主体となって取り組んでいる具体例を2つご紹介します。
無線センサーによるIoT活用の工場設備常時監視システム/日本製紙(株)
大型製造設備の異常の予兆を無線センサーで常時監視するシステムとして、「e-無線巡回®」を開発。IoTを活用して稼働中の機械装置の温度・振動加速度データを蓄積・傾向監視することで、早期に異常を発見して設備トラブルを未然に防止しています。また、これまでの異常予兆の検知は、人が生産現場を巡回して経験や勘を頼りに行うことが少なくありませんでしたが、このシステムにより、熟練技能の継承や労働力不足の解決が期待できます。(SDGs⑨イノベーション に該当)
IoT活用のスマートゴミ箱「SmaGO」への広告掲出で環境活動に貢献/(株)フォーステック+森永製菓(株)など
「SmaGO」はIoT技術を活用したスマートゴミ箱で、ゴミの蓄積状況をクラウド上でリアルタイムに把握できるほか、ゴミ箱が満杯になると自動的に圧縮する機能があり、ゴミ回収作業の効率化に大きく貢献しています。上部のソーラーパネルで太陽光発電し、電気代はゼロです。
フォーステックが展開するソリューションですが、ゴミ箱側面を広告メディアとして活用する企業は、スポンサーであると同時にパートナーとしてSDGsへの取り組みに関わることができます。2020年に森永製菓が第1号パートナー企業となって設置され、以降全国に広がっています。(SDGsの⑪都市、⑫生産・消費、⑮陸上資源、⑰実施手段 に該当)
まとめ
企業にとってSDGsへの取り組みが必須の時代、新たなビジネスチャンスの可能性も広がっています。業務の効率化やコスト削減などをねらったIoT活用であっても、視野を広げてSDGsを意識すれば、SDGsに貢献する取り組みととらえ直すこともできます。SDGsの理解を深めて、積極的に向き合っていきましょう。